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カウンセリングの手引き

Kurabayashi

寒椿/雪と椿/カウンセリングオフィスフロローグのコラム

 最近は、どこか別の機関でカウンセリングを受けたことがあるという方にお会いする機会が増えました。それでも大半は初めての方で、「このくらいのことでカウンセリングを受けて良いのか」「他の皆さんはもっと深刻な相談をしているのではないか」などと考えて、受けようかどうか長い時間迷ってから来談される方も多くいらっしゃいます。

 今回は、カウンセリングを受けようか迷われている方に、カウンセリングの手引きをお伝えしたいと思います。

 そもそも、カウンセリングとは、何をするのでしょうか?

 カウンセリングは、目に見えるカタチがあるわけでもありませんし、何をするのか一言で言い切るのも難しく、分かりにくいものだと思います。
 実際には、お1人おひとり違うことをしています。お困りごとも違いますし、生きてきた背景も環境も異なりますので、それぞれ「個別のカウンセリング」をして対話を深めていきます。
 対話の方法は、口頭だけに限りません。描画、箱庭、イメージなど様々な技法があり、お1人おひとりに合った方法を提案いたします。

 では、カウンセリングを受けたいと思うのは、どんな時でしょうか?大まかに2つあると考えております。

 1つ目は、心の健康を害したときでしょう。普段楽しめることが楽しめない、普段できることが不安でしょうがない、普段は引きずらないことが頭から離れず眠れないなど、普段とは違う心身状態になっている時です。
 こういう時は、異変を感じたらなるべく早く専門機関に相談することをお勧めいたします。症状が悪化すると、回復に必要な時間もその分長くなると考えられるからです。
 カウンセリングでは、健康な状態を取り戻す、「普段の自分」に回復することがテーマになるでしょう。再発防止策を検討することも忘れてはなりません。

 2つ目は、「普段の自分」を見直したいと感じた時でしょう。似たような対人関係のパターンを繰り返してうまく行かない、同じような問題で傷つくことが多い、これからの生き方をどうにかしたい、などと思った時です。
 こういう時は、日常の生活に流されてカウンセリングを先延ばしにしがちです。何かがあってからではなく、落ち着いているときにこそ、カウンセリングを始めることをお勧めいたします。
 カウンセリングでは、自己理解を深めて「普段の自分」を成長(成熟)させることがテーマになるでしょう。長年積み残してきた課題に取り組むことになるので、それなりの時間が必要になると思われます。

 「普段の自分」を取り戻したいのか(回復)、「普段の自分」を成長(成熟)させたいのか。カウンセリングを受けたいが迷われているあなたは、どちらに当てはまるでしょうか。
 もちろんこの2つの他にもカウンセリングを受けたいと思うときはあるでしょうし、この両方を必要とする方もいらっしゃると思います。

 そして、最後に、大事なのは、自分の相談内容について、他者や社会の軸と比較して相対的に重みづけをしてはいけないということです。最初述べたように、「個別のカウンセリング」をするのですから、相談内容に重いとか軽いはありません。
 カウンセリングを受けてみたいという自分の気持ちを大切に考えていただきたいと思うのです。

 いかがでしょうか。カウンセリングを受けようか迷われているときに参考にしていただけたら幸いです。

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