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一陽来復

Shinya

マジックアワー/冬空/日の入り日の出/カウンセリングオフィスフロローグのコラム

 12月に入り、だいぶ日が短くなってきました。一年中で一番日照時間が短い日、冬至もまもなくです。
 冬至といえば、かぼちゃを食べたり、柚子湯に入ったりという風習があります。その由来については「語呂合わせの験担ぎ」の側面が大きいようにも思われますが、実は実際の効果もあるようです。
 現代の生活では一年中野菜が手に入りますが、昔、冬に収穫できる野菜が少なく、長期保存できる野菜も多くなかった時代には、かぼちゃは栄養価が高く、長期保存ができて、保存中に栄養素が比較的失われにくい特徴があることから、当時の冬の季節の貴重な栄養源だったと考えられ、そのことが「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言われることにつながったと考えられているそうです。
 また、柚子湯についても、血行促進効果や、柚子に含まれる成分による美肌の保持、さわやかな香りによるリラックス作用などの効用もあるようです。

 一方で、この時季の日照時間の短さは、季節性情動障害の一つである「冬季うつ」の主な原因であるとも考えられています。
気分の落ち込み、気力の減退、不安感やイライラ感、集中力の低下、疲れやすさなど、一般的なうつ病と共通してみられる症状もありますが、異なる症状として、過眠や過食の傾向が強く現れることが挙げられます。
 そして、通常、秋の終わりから冬の初めに症状が現れ始め、春から夏にかけて症状がよくなるというパターンを繰り返すことが一番の特徴と考えられます。
 冬季うつの症状にあてはまると思われた場合は、自己判断をせずに、早めにクリニックや専門機関に相談することをお勧めします。

 また、予防対策としては、
(1)日常生活の中で太陽光に当たる時間を増やす。
 一日中、日の差し込まない室内で過ごすことは冬季うつにつながりやすいため、可能な限り屋外で太陽光を浴びるよう心がけましょう。
(2)栄養バランスの良い食事を摂る
 セロトニンを生成するトリプトファンを多く含むタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルなどの栄養をバランスよく摂ることが大切です。
(3)適度な運動を取り入れる
 一定のリズムで行うウォーキングなどの有酸素運動や、ストレッチなどを取り入れるとよいでしょう。

 冬至が一年で最も日が短い日であるということは、その翌日からはだんだん日が長くなっていくということでもあります。また冬至は、太陽の力が一番弱まった日から、この日を境に再び力が甦ってくるという意味で、中国や日本では「一陽来復」とも言われています。
 また、「一陽来復」という言葉には、「冬が終わって春(新年)が来ること。悪いことが続いた後で幸運に向かうこと。」の意味もあります。寒さはまだまだ続きそうですが、陽の光を浴びて、栄養を採り、体も適度に動かしながら、来る春を待ちたいと思います。

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