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つらい記憶

Kurabayashi

つらい記憶/トラウマ/青い洞窟/カウンセリングオフィスフロローグのコラム

 ふとした時に思い出される嫌な記憶。昔のことなのにその時の感情が鮮明に蘇り、今でも心が乱されて落としどころが見つけられない。そんなつらい記憶を「思い出さないようにしたい」という言葉を聞くことがあります。

 よく話を聴くと、「思い出さないようにと記憶に蓋をしている」、「嫌な気持ちにならないようにときっかけになることを避けている」、「何かに没頭することで思い出さないようにしている」などと、おっしゃいます。このように避けることにエネルギーを使いすぎて、へとへとになってしまう人も少なくありません。
 しかし他方では、つらい記憶となった出来事を誘発したり、繰り返したりする傾向がみられます。意図的にか無意識にかは本人にもわからないこともあります。

 つらい記憶は、目に見えないので、他者からは分かりにくいものです。相談しようと話しても理解してもらえず、かえって傷つくのではないかという懸念から、ひとり抱えて思い悩んでいる人も多いことでしょう。

 忘れたくても忘れられない「つらい記憶=トラウマ(心の傷)」を癒すにはどうすればいいのでしょうか。

 つらい記憶が湧いても、感情に振り回されずにいられるようになることが目標になるでしょう。そのためには、つらい記憶とうまく付き合っていく力が必要になります。その力をつけるには、つらい記憶に近づいて触れていくことになります。
 とはいうものの、つらい記憶を思い出せばよいのかというとそうではありません。無理やり思い出して、かえって悪くなることもあるので、信頼できる相手に少しずつ無理のない範囲で語っていくことが大切になります。

 近年では、EMDR、ブレイン・スポッティング、ソマティック・エクスペリエンシング、TFT(思考場療法)など、言葉で扱わなくてもよい技法も誕生しています。

 まずは、地域で心のケアを専門に行っている医療機関やカウンセリング施設を探して、一緒に取り組んで行こうと安心して思える専門家に出会えることが望まれます。

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