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からだの感じと自分の気持ち

Kurabayashi

からだの感じと自分の気持ち/七夕の短冊/カウンセリングオフィスフロローグのコラム

 FROLOGのある国立市の夏の風物詩に、「くにたち朝顔市」があります。地元くにたち産の日本朝顔が、大学通りで展示販売されます。その通りの一角に、「七夕飾り」を作るテントがあり、短冊に願いを記す子供たちの姿がありました。
 今のあなたなら七夕に何を願いますか?子供の頃のように、浮かんだ気持ちのままに書けるでしょうか。すぐに思いつく人もいれば、誰かに読まれたら恥ずかしい、こんなことを書くのはおかしいのではと考えているうちに、自分の本当の気持ちが分からなくなる。そんな体験をしたことはありませんか?
 このコラムでは、からだの感じを通して自分の気持ちに気づく方法をお伝えします。

(1) 身体の感じを大切する
(2) 短冊に願いを書いてみよう
(3) 気持ちを言葉にすることの大切さ

(1) 身体の感じを大切する

 いつも忙しく自分の気持ちを後回しにしていると、本当の気持ちが何なのか自分でもわからなくなることがあります。自分はどう感じているのか、本当はどう思っているのか。
 いくら考えても、胸の辺りに何かモヤモヤしたものが残ってスッキリしない。そういう時は、そのモヤモヤした身体の感じに向き合ってみましょう。「はっきりしないけど、何か気になる感じ」をそのままにしないで身体の感じに意識を向けてみるのです。そんなに難しく考える必要はありません。私たちは日常的に自分の身体に問いかけるという行為を自然に行っています。例えば、“今夜のご飯、何食べたいかな、麺がいいか、うどんより蕎麦かな”と、自分の身体が求めていることを確認しながら納得して決めているものです。
 何だかよく分からない身体の感じを言語化してみましょう。心の奥にある本当の自分の気持ちを知ることは、「腑に落ちた」という体の感覚を伴った納得感につながるのです。

(2) 短冊に願いを書いてみよう

 願い事を心に思い浮かべてみてください。試験に合格しますように、家族が健康で穏やかに暮らせますように、恋人ができますようにでも、何でもいいです。
 その浮かんだ願い事を書いてみましょう。そして、書いたことを心の中でイメージしてみると、身体にどんな感じが生じますか。胸のあたりがフワフワする、お腹が重苦しいなど、体の中心で感じられると思います。
 その身体の感じにぴったりくる言葉を見つけてください。そうすると、願い事についてのありのままの実感や気がかりな問題点など、今まで気づいていなかった何かに気づくことができるでしょう。願い事を書いた裏面に、気づいた気持ちを書き加えるといいかもしれません。

(3) 気持ちを言葉にすることの大切さ

 願い事というのは、願望であり、今はまだ成し遂げられていないことになります。叶いますようにという思いの奥には、うまく運ぶと良いなという思いと一緒に、難しいな、失敗するかもしれないなど不安な気持ちも同居していると思われます。そんなネガティブな感情も言語化することで、自分の心の中に置いておいても大丈夫になるのです。

私たちは普段、表面的に協調して適応することに忙しく、自分の本当の気持ちに触れることを避けているのかもしれません。だからこそ、自分の本当の気持ちに向き合うことが必要なのです。
 七夕という季節の行事を、メンタルヘルスケアに役立ててみてください。

 最後に、カウンセリングのひとつに「フォーカシング」という技法があります。自分がどう感じているかに焦点を合わせて、自分の本当の気持ちを知るものです。今回のコラムにはこの「フォーカシング」のエッセンスが盛り込まれています。「フォーカシング」によるセラピーでは、身体の感じやイメージを扱うので、具体的なエピソードをお話しすることが容易ではないという方にもお勧めの技法です。「フォーカシング」にご興味のある方は、FROLOGにご相談ください。

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